別れの朝

株式会社 リウデン

2018年05月15日 11:20

「別れの朝」は私が大学を卒業するころの、ペドロ&カプリシャスのヒット曲です。
女性のかすれた伸びのある声が大好きでした。
高橋真梨子さんの「別れの朝」も素敵ですが、やっぱり初代の前野曜子さんに軍配があがります。
前野さんは若くして亡くなりましたが、私の大好きな歌の一つです。



先日、朝早く高校の友人の訃報が入り、名護に向かっているときに、ラジオから流れてきました。

普段は歌詞の意味などあまり考えず、フィーリングで歌ったり、聞いたりしますが、その日はなぜかしっかりと情景を思い浮かべながら聴いていました。


別れの朝

別れの朝 ふたりは
さめた紅茶 のみほし
さようならの くちづけ
わらいながら 交わした

別れの朝 ふたりは
白いドアを 開いて
駅につづく 小径を
何も言わず 歩いた

言わないで なぐさめは
涙をさそうから
触れないで この指に
心が乱れるから

やがて汽車は出てゆき
ひとり残る わたしは
ちぎれるほど 手をふる
あなたの目を 見ていた

言わないで なぐさめは
涙をさそうから
触れないで この指に
心が乱れるから

やがて汽車は出てゆき
ひとり残る わたしは
ちぎれるほど 手をふる
あなたの目を 見ていた

あなたの目を見ていた





40数年の長い間、歌詞の一字を間違えて覚えていた事に気がつきました。

「ちぎれるほど 手をふる」を「ちぎれるほど 手をふり」と覚えていたのです。 

この一字で「男」と「女」の関係や情景が逆転します。

「別れ話を切り出された女性が、別れたくない気持ちを隠して一緒に歩き、出てゆく汽車に、ちぎれるほど手をふっている。」という情景ではなく 

「心変わりした不実の男性に、女性が別れ話を切り出し、未練をぬぐい捨て、ちぎれるほど手を振って去っていく男の目を、さめた目で見ている。」

女性のやるせなさが「ちぎれるほど 手をふる あなたの目を 見ていた」に表されているように思いました。

                    Yonaha

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